ウィンブルドン名勝負|1996年女子準決勝 「伊達公子 vs シュテフィ グラフ」
突然の電撃復帰から、今もなお現役プレーヤーとして、
その熟練の技を、私たちに見せてくれるクルム伊達公子。
その伊達選手が絶頂期にあった1996年、フェドカップで、
時の絶対女王シュテフィ・グラフに劇的な勝利を収めたことは、
今も、日本の多くのテニスファンの心に、深く残っている。
その勝利から2カ月後、2人はウィンブルドン準決勝で、
再び対戦することになった。
スポーツに、”たら・れば” は言ってはならないが、
この日、「日没サスペンデッドにさえならなければ」 と、
多くのファンが悔しがる伝説の一戦だ。
世界ランキング最高4位の伊達と、1位のグラフ。
試合は、グラフが第1セットを先取するが、
第2セットは完全に形勢が逆転し、伊達がセットを奪取する。
「このままの勢いなら、再び伊達が勝利するのでは!?」
と、日本中のテニスファンが沸き立つ中、第3セットは、
不幸にも、日没サスペンデッドになってしまう。
翌日に持ち越された第3セットは、地力に勝るグラフがものにし、
惜しくも、伊達選手は金星を逃してしまう。
この時を最後に、日本女子選手は、
ウィンブルドンの準決勝に、勝ち進んだことはない。
男子では、錦織圭選手の活躍が目立つだけに、女子でも、
伊達選手を超える様な世界に通用する選手が、出てきて欲しいものだ。
ちなみに、時々スポーツ珍場面で登場する、
観客がグラフに求婚するシーンは、この一日目の試合中に起きた出来事。
他にも、日没サスペンデッドになった2日目は、NHKがなんと、
午後7時のニュースの時間を返上して、生中継に踏み切るという、
スポーツ放送における、歴史的な日でもあった。
グラフは、その後優勝するが、失ったセットは全試合通じてたった1セット。
つまり、伊達選手が取った、”1セットのみ” だったのである。
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