アカデミー賞名場面!〜オスカー4度受賞の名女優が、出席した日〜
アカデミー賞で、オスカー像を一度だけでも手にしたいと、
多くの俳優が思っているが、その道のりは険しく、とても高い。
しかし、そのオスカー像を、4度受賞した名女優がいる。
・『勝利の朝』
・『招かるざる客』
・『冬のライオン』
・『黄昏』
いずれも、主演女優賞で受賞した、キャサリン・ヘプバーンだ。
しかし、彼女は自分の授賞式に現れたことは、一度もなかった。
仕事以外で公の舞台に出ることを、好まなかったからだ。
そんな彼女が、アカデミー賞の授賞式に出席したことが、ただ一度だけある。
それが、1973年度・第46回アカデミー賞のこと。
プロデューサーで親友の、ローレンス・ワインガーデンへの、
プレゼンターとしての登場だった。
初めて授賞式に姿を見せた彼女に、会場は、
スタンディング・オベイションで敬意を表した。
スカートを履かず、パンツスタイルを好んだキャサリン(通称ケイト)は、
この日も黒のパンツ・スーツ。
鳴りやまぬ拍手の中で、こう切り出した。
「よかったわ、今頃のこのこやってきて! と言われなくて。」
爆笑の渦に包まれる場内。
彼女は、親友のワインガーデンに賞を渡すと、とっとと、
待たせてあったリムジンに乗り込み、会場を後にした。
彼女が居たのは、たった15分。
黄金時代の映画スターであるにもかかわらず、
プライバシーを重視し、着飾ることをせず、
自立した女性の、”パイオニア的存在” だった、彼女らしい行動だった。
その姿勢は、現代女性のライフスタイルの原点として、
今でも、多くの尊敬を集めている。
プライバシーを切り売りし、アイドル時代の過去を、
悪びれることなく話すしか能のない、日本のタレント達に、
学べと言っても、無理な注文というものだろうか。
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