アカデミー賞名場面!〜両親への感謝を込めた、手話のメッセージ〜
1975年のアカデミー賞を席巻した作品が、
ジャック・ニコルソン主演の、『カッコーの巣の上で』 である。
『或る夜の出来事』 以来、実に41年振りに、
・作品賞
・監督賞
・主演男優賞
・主演女優賞
・脚色賞
と、主要5部門を独占した。
精神異常を装った男が、患者の人間性まで統制しようとする、病院側から、
自由を勝ち取ろうと立ち向かう、この物語を、迫真の演技で名作に高めた、
ジャック・ニコルソンの主演男優賞は、当然のこととして、
冷徹な看護婦長を演じた、ルイーズ・フレッチャーは、それほど知られた存在ではなかった。
順調ではなく、結婚と子育てによる、長いブランクを乗り越えての、彼女の、
主演女優賞・受賞スピーチは、多くの人々に感動を巻き起こした。
「受賞できたのは、皆さんが私のことを、憎んでくれたからです。」
と、自分の役になぞらえコメントし、会場を爆笑させたルイーズは、
次に、共演者などに感謝を述べた後、自宅でテレビを見ている、
聾者である両親に向けて、手話で語りかけた。(聾者/ろうしゃ:耳が聞こえない人)
「お父さん、お母さん見ていますか?
あなた達は、私に夢を持つことの大切さを、教えてくれました。
そして、今その夢がかないました。どうもありがとう。」
会場は感動に包まれ、いつまでも温かい拍手が鳴り響いた。
その後の彼女の女優人生は、ヒット作に恵まれたとは言い難いが、
映画だけではなく、大ヒットドラマ、『ER緊急救命室』 などへの出演も、果たしている。
何よりも、『カッコーの巣の上で』 の名演技と、
アカデミー賞での名スピーチが、永遠に人々の心に残ることだろう。
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