ボクシングコラム!〜世界戦:『ルーベン・オリバレス』〜
デビューから26戦連続KO勝ちを果たし、
その高いKO率から、「ミスター・ノックアウト」 の異名をとった、
メキシコの名チャンピオン、ルーベン・オリバレス。
バンタム級・フェザー級と、2回級制覇を成し遂げている。
そのオリバレスが来日し、金沢和良と行った試合は、
日本ボクシング史上に残る、”伝説の試合” として、
今でも、多くのボクシングファンの、語り草になっている。
パンチの威力に、定評のあるオリバレスが、
早い回にKO勝ちすると、ほとんどの者が予想していたが、
金沢の頑張りによって、予想もつかない展開となった。
同試合は、金沢がどこまで持つかに、注目が集まっていたが、
金沢が、オリバレスと堂々と打ち合いを展開し、
勝負を終盤へと持ち込んだことで、縺れていった。
バンタム級らしくない、ハードパンチャーだったオリバレスは、
試合を早く終わらせてしまうため、唯一の弱点は、スタミナだったのだ。
クライマックスは、13ラウンドに訪れる。
打ち疲れの見えたオリバレスに対し、すでに、
両目の上を腫れあがらせ、気力だけで戦う金沢が、
右フック、左アッパーを叩きこみ、チャンピオンをぐらつかせたのだ。
世紀の番狂わせかと、会場が沸き立つ中、
金沢は攻めるが、とどめの一撃を放つことができない。
続く14ラウンド、ついに熱戦に終止符が打たれた。
オリバレスがラッシュをかけ、3度のダウンを奪ったのだ。
かろうじて、王座を防衛したオリバレスだったが、
彼にとってこの試合が、ターニングポイントとなった。
次の試合で敗北し、フェザー級に転向したが、
早い回でのKO決着は、めっきり少なくなっていった。
2階級制覇を成し遂げても、それまでの強さは影を潜め、
王座奪取と防衛失敗を、繰り返した。
しかし、全盛期に来日し、日本ボクシング史上に残る、
死闘を行ったオリバレスの名は、これからも語り継がれていくことだろう。
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