アカデミー賞名場面!〜果たせなかった母の夢をかなえた、感動の受賞〜
1973年に、『キャバレー』 の熱演で、
主演女優賞を受賞した、ライザ・ミネリ。
彼女は、アカデミー賞・監督賞の受賞経験のある、
ヴィンセント・ミネリを父に持ち、
『オズの魔法使い』 のドロシー役で、世界中に名を馳せた
ジュディ・ガーランドを母に持つ、正真正銘のサラブレッドだった。
しかし、母は将来を嘱望された女優でありながら、
薬物中毒に陥り、主演女優賞に3度ノミネートされながら、
47歳で、悲運の最期を遂げた女優でもあった。
その母の果たせなかった夢を叶えた、ライザ・ミネリに、
会場からは、温かい拍手が送られたことは、言うまでもない。
その後の彼女は、不幸にも母と同様、
アルコール依存症と、薬物中毒に、陥ってしまう。
引退説もささやかれたが、見事にカムバックし、
得意の歌や舞台を中心に、活躍した。
現在もアメリカを代表する、
歌手・女優としての評価は、揺るぎないものがある。
全世界に話題を呼んだ、テレビドラマの映画化作品、
『セックス・アンド・ザ・シティ2』 では、
本人役で登場し、劇中歌を披露している。
薬物に手を出すことは、褒められたものではない。
そうした芸能人が、業界復帰することに、
冷たい視線が浴びせられるのは、どこの国においても同じことだ。
しかし、才能ある人間が真摯に反省し、
治療を継続した上で、芸能界復帰することに対して、
それを無条件に止めるのも、いかがなものだろう。
事あるごとに、その場だけ叩き、忘れ去ると、次の対象を探し叩く。
そうした、歪(いびつ)な社会の構造、に目を向けることなく、
情報に流される社会は、極めて、ひ弱な社会ではないだろうか。
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