オリンピック関連コラム! 〜オリンピックと、ドーピング問題〜
2016年のリオデジャネイロ・オリンピックの前年、
ロシアが、国家ぐるみで自国選手のドーピングに関与し、
違反が発覚しないよう、隠蔽工作していたことが発覚。
これを受けて、リオデジャネイロ・オリンピックでは、
陸上や重量挙げなどで、100人以上が出場禁止処分となった。
国家ぐるみのドーピングが暴露されたきっかけは、
2014年12月に、ロシアの女子陸上選手と、
ロシアの反ドーピング機関(RUSADA)の職員の夫の夫婦が、
ドイツ公共放送で、告発したことだった。
その後、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)の独立委員会が調査をし、
2015年11月の調査報告で、ロシアの組織的ドーピングが認定された。
独立委員会が提出した報告書によると、RUSADAは、
11年〜15年にかけて、約600件の陽性の内、半数以上を、「陰性」 と書き換えたり、
ソチオリンピックでは、尿検体のすり替えを行っていたという。
ロシアは、国としてのオリンピック出場ができなくなったが、
ロシアの選手で、ドーピングの潔白が証明された選手は、
個人資格での出場が許された。
リオデジャネイロ・オリンピックだけでなく、
2018年の平昌・オリンピックでも同様に、個人資格での参加となった。
オリンピック史上、最も大きなドーピング事件となったが、
ドーピングは、一朝一夕に無くなりはしないだろう。
一方で、
近年では、ハイテクのスポーツ用品による、
「技術ドーピング(科学ドーピング)」 が問題になりつつある。
それが知られることとなったのは、
2008年の北京・オリンピックで着用した選手が、
世界新記録を連発したハイテク水着、「レーザー・レーサー」 の騒ぎであった。
北京・オリンピックで、「レーザー・レーサー」 を着用した選手が、
更新した世界記録は、23個にもなったのだ。
この衝撃的な結果を受けて、国際水泳連盟(FINA)は、
2010年より、水着素材を布地のみに制限した。
ポリウレタン素材を一部に使用した、
「レーザー・レーサー」 は、使用禁止の水着となっている。
現在、陸上の長距離では、「カーボンファイバープレート」 を埋め込んだ、
厚底シューズが話題となっている。
一部では、「ドーピングシューズ」 との声もあり、
2020年の東京・オリンピックで、世界記録を更新が相次ぐと、
ルールの変更で禁止される可能性がある。