オリンピック関連コラム! 〜オリンピックの原点、”オリンピア大祭”〜
1896年から始まった、近代オリンピックの元となったのは、
「オリンピア大祭」 と呼ばれた、古代オリンピックである。
「オリンピア大祭」 あるいは、「オリンピア祭典競技」 とも呼ばれた競技会は、
古代ギリシアのエーリス地方・オリンピアで、4年に1回行われていた。
紀元前9世紀〜紀元後4世紀にかけて行われたこの大祭は、
ギリシアを中心にした、ヘレニズム文化圏の宗教行事で、
同様の競技会は、オリンピア以外の地域でも行なわれていた。
「ネメアー・ネメアー大祭」
「イストモス(現イストミア)・イストモス大祭」
「デルポイ・ピューティア大祭」
と、オリンピア大祭を合わせて、四大競技大祭と言われている。
その中でも、最も規模が大きかったのが、オリンピア大祭で、
全能の神ゼウスを崇めるために、行なわれた競技会であった。
このオリンピア大祭が、4年に1度開催されたことにならい、
オリンピックも、4年に1度の開催になっている。
オリンピア大祭で、最初に行なわれた競技は、『スタディオン走』 と呼ばれる短距離走。
その起源は、祭壇に供物を捧げる際に行われた競走で、
その距離は、1スタディオン(約180メートル)であった。
その距離を最も速く走った者には、供物に点火する名誉が与えられたとされている。
14回目の大会から、2スタディオンの距離を走る中距離競走、『ディアロウス競走』 が加わり、
15回大会からは、長距離走も始まっている。
さらに、『円盤投』、『やり投』、『走り高跳び』 などの、現在の陸上種目や、
『レスリング』 や、『ボクシング』 などの格闘技、
馬に引かせる、『戦車競走』 などが追加されていった。
古代オリンピックの人気の高まりとともに、
ギリシャ全土の各ポリス(都市国家)から、参加者が集まってくるようになった。
当時は、ポリス間で戦争も珍しいことではなかったが、
オリンピア大祭などの競技会がある時は、
戦争を中断してでも参加する、「聖なる休戦」 があったという。
オリンピックが、「平和の祭典」 を標榜しているのも、
この古代オリンピックの、「聖なる休戦」 が、原点にあるためである。