オリンピック関連コラム! 〜オリンピック選手養成機関、自衛隊体育学校〜
1964年の東京・オリンピック以降、不参加だった、
モスクワ・オリンピックを除く、全てのオリンピックに選手を輩出し、
多くのメダルを獲得してきた組織、それが、”自衛隊体育学校” である。
このような素晴らしい結果を出してきたのは、
東京・オリンピック開催を控えた、1961年に、
開催国にふさわしい結果を出すための、選手養成機関として、
設立された組織だからだ。
自衛隊体育学校の目的には、「オリンピック等国際級選手の育成」 の他に、
「部隊等における体育指導者の育成」 と、「体育に関する調査研究」 があり、
第1教育課では、部隊の体育指導者の育成が行なわれている。
第2教育課(特別体育課程)は、完全な選手養成過程であり、
特体生になると、一般の自衛官の任務である、災害派遣や演習訓練などは免除され、
競技だけに専念できる環境が与えられる。
カヌーを除く、全種目の練習場を完備し、
「全天候型陸上競技場」、「屋内プール」、「馬術訓練場」、「レスリング場」、
「ボクシング場」、「柔道場」、「ウエイトリフティング場」、「屋内・屋外射場」、
「屋内・屋外アーチェリー訓練場」、「フェンシング場」、「総合トレーニング場」、
「球技体育館」、「ラグビー・サッカー場」、「バイアスロン競技場」、
などを、自前で持つ。
さらに、”馬” も飼育しており、馬術を行う、『近代五種競技』 の練習も可能となっている。
食堂も、一般隊員とは別の特別扱いであるが、
成果が出せないでいると、1年単位で、
退校(一般部隊への異動)を命じられる、厳しい世界でもある。
自衛隊体育学校は、設立直後の1964年東京オリンピックで、すぐに成果を出した。
『ウェイトリフティング』 で、三宅義信選手が、金メダル、
『マラソン』 で、円谷幸吉選手が、銅メダルを獲得。
その後も、多くの選手を送り出し、
2016年のリオデジャネイロ・オリンピックまでに、
20個のメダルを獲得している。
2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでは、
『競歩』 の荒井広宙選手と、『水泳』 の江原騎士選手が、
それぞれ、銅メダルを獲得している。
自衛隊体育学校は、2020年の東京・オリンピックでも、
活躍が期待される選手が、多く在籍している組織なのである。