アカデミー賞名場面!〜20年振りの帰国に鳴り響いた、万雷の拍手〜
アカデミー賞史上最も感動的な場面の1つとして、
必ず取り上げられるのが、喜劇王、”チャールズ・チャップリン” が、
20年振りにアメリカに帰国した、特別賞受賞式の場面だ。
世界中で、そっくりさんが登場する程、
センセーションを巻き起こしたチャップリンは、
マネージャーに日本人を採用するほど、大の日本びいきでもあった。
『独裁者』 で、戦争の愚かさを訴えたチャップリンは、
第二次世界大戦後の第1作目、『殺人狂時代』 で、再び戦争を痛烈に風刺する。
しかし、このことが、アメリカ政府の逆鱗に触れ、
ハリウッドの赤狩りに合い、1952年新作、『ライムライト』 の宣伝で、
ヨーロッパを訪れている最中、アメリカ政府から、「再入国拒否」 の宣告を受け、
スイスへの移住を余儀なくされる。
それから20年後の1972年、ベトナム戦争の泥沼化に、
嫌気がさしていた社会背景を受け、アカデミー協会は、
何と、アメリカを追われるきっかけとなった、
『殺人狂時代』 に対して、特別賞を送ったのだ。
20年振りにアメリカの地を踏みしめ、
会場に到着したチャップリンに対して、
会場に居並ぶスターや製作者たちは、総立ちで拍手を送り続けた。
「ブラボー」 の声と、万雷の拍手が、いつまでも鳴りやまない中、
チャップリンは、照れ臭そうに観客を見まわし、手を振った。
感謝のスピーチを手短に述べたチャップリンは、
トレードマークの山高帽と、ステッキを手渡され、ステージを去った。
それから5年後のクリスマスの朝、
チャップリンは、スイスの邸宅で家族に見守られながら、
波乱に満ちた、88歳の生涯を閉じたのである。
今なお、チャップリンの映画は、
各方面に影響を与え、生命力を失わずにいる。
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