アカデミー賞名場面!〜白人以外に、初めて主演女優賞が渡った日〜
2002年に開催された、第74回アカデミー賞授賞式では、画期的な出来事があった。
史上初めて、白人以外の、主演女優賞受賞者が誕生したのだ。
栄誉ある初めての受賞者になったのは、『チョコレート』 における、
死刑囚の妻の演技が評価された、ハル・ベリー。
助演女優賞での受賞は、名作、『風と共に去りぬ』 の、
ハティ・マクダニエルを始め、幾度かあったものの、予想外の受賞に、
歓喜の涙にむせびながら、オスカー像を抱え、スピーチする彼女の姿に、
共感の拍手が鳴り響いた。
アフリカ系アメリカ人の父と、
イギリス出身の白人の母との間に生まれた、ハル・ベリー。
『オーマイゴッド』 を、何回も繰り返しながら、
壇上に立った彼女は、黒人女性として、
初めてアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた、
ドロシー・ダンドリッジ達の名を挙げ、感謝を示した後、こう結んだ。
「すべての有色人種の女性に今、扉が開かれたのです。ありがとう。本当に嬉しいわ」
この年は、デンゼル・ワシントンが、汚職警官を演じた、
『トレーニング・デイ』 で主演男優賞に輝き、2つの主演が、
史上初のアフリカ系俳優で占められたことも、大きな話題を呼んだ。
2人とも、その後も第一線で活躍し続けているが、
オスカーとは、縁がないままである。
特に、デンゼル・ワシントンは、数々のヒット作に出演しながら、
受賞後は、ノミネートすら、1度しかない状況である。
自由の国アメリカと言えども、そこにそびえ立つ壁の高さに、戸惑いを禁じ得ない。
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